2022年5月16日 月曜日を迎えました。

 

ついに

 

ついに

 

ファイナルファンタジーXIが正式サービス開始から20周年という大変記念すべき日が訪れました。

 

 

蛹は、10周年をヴァナディールから離れておりましたので、プレイヤーの皆様と一緒にログインしながらお祝いをすることができませんでした。

 

ですが20周年は、ヴァナディールの世界に身を置きながらお祝いを述べさせていただきます。

 

 

「蒼剣の丘から20周年を祝う」

 

 

 

 

■祝辞

 

20世に起きた第二次世界大戦の後、「パクス・アメリカーナ」の恩恵を受け平和を標榜しながら、私達日本人は長い歴史の中で育まれて来た文化を継承し更に豊かに発展させてきました。

 

新しい時代に相応しい価値観に支えられながら、日本人は漫画、アニメ、ゲームといった分野で世界の他の国が創ることができないほどの高い文化的価値を世界中に提供し、戦後のサブカルチャーを牽引し続けてきました。

 

中でも電子ゲームの登場により、世界中の子供だけではなく大人も巻きんで、その余暇活動は大きく様変わりしました。

 

80年代に登場した「ファミリーコンピューター」(通称ファミコン)によって電子ゲームはアーケードだけではなく、家庭で楽しめる大衆の文化へと発展していきます。

 

ファミコンから何代もゲーム機の更新が行われ、その過程の通過点の一つである電子ゲームのクオリティをより高いレベルに押し上げた「プレステーション2」が2000年に発売されます。

 

そして

 

2002年5月16日

 

「我々の」ゲームである

 

MMORPG「ファイナルファンタジーXI」がリリースされました。

 

FFXIがオンラインゲームの初体験となった世代に蛹も生まれ、運命の糸にひっぱられるかのようにヴァナディールの地に降り立ちました。

 

私達FFXIプレイヤーがこの20年間関わり続けている「オンラインゲームという他者とのコミュニケーションを前提として設計された遊び」によって

 

千人いれば千通りの多様な感情と体験がプレイヤーに提供され

 

私達以前の世代が味わったことのないような電子空間における「疾風怒濤の時代」が切り開かれたのです。

 

これは、およそ人類が哲学を生み出した時から常に問題としてきた「他者性の問題」を、「学問」の世界から再び余暇活動へと取り込むことに成功したと言えます。

 

そうなんです。

 

私達FF11プレイヤーが感動し悩んだりしながらこの20年継続してきたオンラインゲームでのコミュニケーションとは、まさに「古代ギリシャ」の「ソフィスト」達に代表される余暇活動の中で行われた対面形式の「古代ギリシャ哲学」を、21世紀の時代状況を色濃く受けながら成立した「オンライン空間での哲学的体験」として「再現」することだと解釈できるのです。

 

しかしこの人類の文化的進化は、コミュニケーションのありとあらゆる問題を、現代では「ストレス」を発散するために行われるはすだった電子ゲームの余暇活動の世界に解き放ってしまったのです。

 

明確なルールや約束事もないまま、電子空間のコミュニケーションという「未開拓な荒野」に放たれた私達は、「間主観問題」だけではく、オンラインコミュニケーションの持つ特有の困難さとも同時に向き合わざる得ない事態に陥りました。

 

私達は、心を掻き乱されるほど混乱したり、傷ついたりすることを通してでしか、ヴァナディール内でのコミュニケーションの問題を解決する術を持ち合わせていない場面を幾たびも経験してきたのかもしれません。

 

ある者は傷つくことに疲れこの世界を離れ、また別のある者はライフスタイルの変化と共に去っていきました。

 

一方で

 

私達は、今では「当たり前」となったオンラインゲームという余暇活動を「時代の最先端者」として「享受」もしてきました。

 

FF11において、私達プレイヤーは「これまで経験したことがない」ようなオンライン空間で無限に広がるコミュニケーションを体験してきました。

 

そして、喜びや達成感を同時間に共有し、アバターの成長と共にオンライン空間における「他者との共生」の考えたかや態度や価値観を育むネット文化を築き上げてもきました。

 

20年という遥かなる時を刻み続けてきたヴァナディールというオンライン空間

 

 

この祝福で溢れるヴァナディールを「旅」してきた我々「冒険者」が、今一度「歩みの速度」を緩め、私達の人生にFFXIが与えた影響を振りかえることができるなら

 

きっと

 

セルテウスが一万年の旅路の果てにそうしたように

 

どんな力でさえも奪うことができない

 

このゲームプレイの体験の総体である

 

「あなたにとってのヴァナディール」を第二の「故郷」へと価値転換させる「母なるクリスタル」を手に入れることができるのかもしれません…

 

 

 

私達のオンライン空間での「冒険」は続きます。

 

なぜなら

 

たとえFFXIのサービスが終わったとしても

 

オンライン電子空間がこの社会にあり続ける限り、FFXIが与えた影響は日本社会から消え去ることはないからです。

 

 

 

追記~「ブログタイトルに込めた目標を達成」~

 

20周年記念として

 

二垢のミュルグレスをもやらせることができました。

 

日本のゲームの歴史に確かに深い痕跡を残すことに成功したFFXIの20周年の日に、当ブログのタイトルに含まれる片手剣ミュルグレスを完成させることができたこと。

 

2018年9月から始めた当ブログ「ミュルグレス赤日記」の名称を決める中で暖めてきた

 

 

「20周年記念日に、ミュルグレスを完成させることをもって祝いの行事とする」

 

という長期目標を達成することができました。

 

 

FFXIという世界とそこに関わる名も知らないまま繋がっている私達が創り出しているコミュニケーション文化に対して感謝と敬意の念をこめてサービス提供主である「スクエア・エニックス」様ならびに全てのFFXIプレイヤーの皆様に申し上げます。

 

「20周年 誠に おめでとうございます!」

 

「これからも末永く、私達の人生に寄り添ってくれるゲームでありますように!」

 

 

願いを述べて筆を終えたいと思います。

 

最後までお読み頂きありがとうございました。

 

 

追記2

タイトルおよび文中の誤字を訂正。(2022年5月16日、22日)

絵を挿入。(2022年5月18日)

 

追記3 

「体験したことを誰しも尊ぶことを知っている。年をとって思索し沈思すり者は特にそうである。これだけは誰からにも奪いとられないということを、彼は確信と心のやすらかさをもって感じている。」(『ゲーテ格言集』より引用)(2022年5月17日。)